大人のぽりぽりクラブ

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ほろよい気分でゴクゴクぽりぽりしているときに、
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気になる健康「美味しい!」と感じるために必要なこととは?歯と栄養の専門家に聞きました!

マイちゃん

マイちゃん

みなさん、今日も美味しくぽりぽりしていますか?
「美味しい!」と感じる瞬間って本当に幸せですよね。みなさんの「至福のひととき」はどんなときですか?
ガンさん

ガンさん

寒い季節に温かいお茶と堅焼きのおせんべいをいただく瞬間はほっと一息、幸せな時間ですよね。
マイちゃん

マイちゃん

日差しがじりじりと強くなってくる夏の朝に、冷たいコーヒーと軽い口溶けのおせんべいをいただく瞬間もたまりませんよ。
ガンさん

ガンさん

確かに、それもいいですね。「美味しい」と感じる食べ方やシーンには多様性があるようです。僕たちはどんなときに「美味しい」と感じているんでしょうね。
マイちゃん

マイちゃん

それがわかれば、もっとおせんべいを美味しく食べられるかもしれませんね。「美味しい」に詳しそうな専門家に聞いてみましょう。

教えてくれたのは……
櫻井薫先生と川口美喜子先生

「美味しい!」と感じるために必要なこととは?歯と栄養の専門家に聞きました!
左:櫻井薫先生(こばやし歯科クリニック最高顧問・東京歯科大学 名誉教授)
右:川口美喜子先生(大妻女子大学 家政学部栄養学科 教授)

食の「特性」が活かされているものが「美味しい!」

マイちゃん

マイちゃん

人はどんなときに「美味しい!」と感じるのでしょうか。
櫻井先生

櫻井先生

「美味しさ」には、食べ物の特性が関わっています。特性には、味、匂い、テクスチャー(食感)、見た目、温度、音などがあります。これらが最適な状態で組み合わされたときに、人は「美味しい!」と感じます。
例えば、通常の堅焼きのおせんべいは湿気っているよりもパリっと乾燥している方が、美味しく感じますよね。お味噌汁は温かい方がいいですし、ビールは冷えているものを好む方が多いです。「特性」が最適な状態にあるものを受け取れると、人は「美味しい!」と感じます。
ガンさん

ガンさん

牛乳のように温かい状態でも冷たい状態でも楽しめるものもありますが、それぞれの「特性」によって最適な状態は異なるということですね。
櫻井先生

櫻井先生

そうなんです。それに、「美味しい!」と感じるためには、食べる人がそれを受け取るための準備も大切です。例えば、堅焼きのおせんべいをばりばり噛み砕くには、歯や顎を健康な状態に保っておかなくてはなりません。またテクスチャーは口のなかだけではなく、飲み込む(嚥下する)際に喉でも感じています。「美味しさ」を感じるためには飲み込む力も大切なんです。

「美味しい!」と感じるために必要なこととは?歯と栄養の専門家に聞きました!

ガンさん

ガンさん

咀嚼や嚥下の力が落ちないように、日頃から歯ごたえのあるものをよく噛んで食べるとよさそうですね。

「美味しいね」と言い合うことで、美味しく感じる

櫻井先生

櫻井先生

それから、楽しく食べることも「美味しさ」を感じるエッセンスです。一人で黙々と食べるよりも、気の合う人とゆっくり朗らかな時間を過ごしながら食べる食事は美味しいのです。このとき大切なのは、テーブルについた人がみんな同じものを食べること。体調が優れないときは別メニューを用意することがあると思いますが、できるだけみんなが同じメニューを食べた方が美味しさを感じやすいですよ。
川口先生

川口先生

「美味しいね」と言い合うことで、より美味しさを意識的にはっきりと感じることができます。小さなお子様たちにも、施設に入っている高齢者様にも「美味しいね」と声掛けをすることで食欲が出るようです。とくに間食はみんなで楽しみながら食べられるといいですよね。美味しく間食しているときには会話が生まれやすくなり、人と人とのつながりが深まります。
マイちゃん

マイちゃん

おやつの時間はできるだけ家族や職場の人たちと一緒に過ごすといいかもしれませんね。
櫻井先生

櫻井先生

コロナ禍においては、一人で食べることや「黙食」が推進されましたが、あれはやはり味気なかったですよね。
川口先生

川口先生

仕方がなかったとはいえ、食事の環境としては良いものとはいえませんでした。

好みの味は、記憶によって作られる

櫻井先生

櫻井先生

もちろん、味や香りが好みであることも「美味しさ」の需要なエッセンスです。好みの味付けのものを食べられたとき、多くの人は「美味しい!」と感じます。
川口先生

川口先生

好みの味や香りというのは、個人の記憶に基づいてできています。好きな食べ物には幸せな思い出が関連していることが少なくないんです。家族の定番の味や、山の上で食べたお弁当の味はポジティブな記憶として定着し、「美味しい!」と感じるようになるのです。

「美味しい!」と感じるために必要なこととは?歯と栄養の専門家に聞きました!

ガンさん

ガンさん

「大人のぽりぽりクラブ」ではファンのみなさんにお話を聞くことが多いのですが、みなさんはよく「味しらべ」の感想を「懐かしい味がする」と語ってくれます。おばあちゃんの家にあったあの「甘じょっぱい味」を美味しい味として記憶してくれているようです。
マイちゃん

マイちゃん

「美味しい!」と感じる味を増やすことはできるのですか?
川口先生

川口先生

自分の記憶の糸をたぐってみると、増やすことができると思いますよ。育った土地のこと、そこであった出来事などから思い出してみましょう。「あのときのあの料理が美味しかったな」と思えたら、そこから好きな味を思い浮かべ、増やしていくことができると思います。

美味しさを感じるために、舌をきれいにしておこう

櫻井先生

櫻井先生

好みの味であれば「美味しい!」とは感じますが、そもそもその味を知覚するためには舌をきれいにしておくことが大切です。舌の表面には味蕾と呼ばれる知覚器官があり、人はここから味を感じています。ところが、舌には舌苔と呼ばれる汚れが付着することがあり、それを放っておくと味覚の感度が悪くなります。

「美味しい!」と感じるために必要なこととは?歯と栄養の専門家に聞きました!

櫻井先生

櫻井先生

図のように、舌には部位によって感じる味覚が異なります。甘みを感じる先端部分は比較的よく動くために舌苔が付きづらく味覚を感じにくくなることは少ないのですが、中央の部分は汚れがつきがち。とくに日頃あまり会話をしない人は汚れやすくなる傾向にあります。
川口先生

川口先生

中央の部分はうまみを感じる重要なポイントですね。あまり塩気のない食べ物でも、うまみを感じることができれば、人は美味しさを覚えます。
ガンさん

ガンさん

「うまみ」は日本食を味わうときに特に重要な味覚の一つです。しっかりと知覚できるように、舌磨きのグッズなどを使って舌の汚れをケアしておきたいですね。

料理にチャレンジして「美味しい!」を増やそう

川口先生

川口先生

「美味しい!」は情報によっても作られています。どんな原料を使っているのか、どのように作られているのかを知ることによって、人は期待し、それを思い浮かべながら味わっているというわけです。ただのレタスとして提供されたものより「朝採れレタス」を説明されたものの方が美味しく感じられますよね。
ガンさん

ガンさん

なるほど、たしかに。どのような原料が使われているかわからないものよりも「日本のお米100%」と書いてあるものの方が安心感を覚え、美しい里山の風景を思い浮かべながら食べることができます。
マイちゃん

マイちゃん

岩塚製菓のおせんべいの情報も公式サイトからご覧いただくことができます。ぜひ、おせんべいにまつわる情報を知って、もっともっと美味しくおせんべいを味わってください。
櫻井先生

櫻井先生

私は最近になって料理をするようになったんですよ。毎週、母に豚汁を作るために包丁を握るようになりました。するとそれまで意識していなかった食の情報がどんどん入ってくるようになったんです。どんなものが入っているのかとか、なぜみりんが必要なのかなど、知らない世界がどんどん開けていきました。料理は確実に、食への情報感度を高くしますね。
川口先生

川口先生

それは素晴らしいです。確かに料理をすると、食への関心が強くなりそうですね。
マイちゃん

マイちゃん

食への解像度が上がりそうです。
川口先生

川口先生

今では動画などによって料理を学ぶこともできますから、ぜひ多くの方に挑戦していただきたいですね。
櫻井先生

櫻井先生

失敗もまた楽しいですからね。「美味しい!」を感じる機会を増やすための手段として料理はおすすめです。

取材協力

こばやし歯科クリニック

https://www.k-dc.net/

顧問 櫻井薫

顧問 櫻井薫

東京歯科大学 名誉教授
日本歯科専門医機構認定 補綴歯科専門医
日本老年歯科医学会専門医指導医
日本補綴歯科学会専門医指導医

川口美喜子

川口美喜子

大妻女子大学 家政学部 教授
大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業、管理栄養士取得したのち、島根大学医学部で博士(医学)学位を取得。専門はがん栄養、食育、スポーツ栄養、高齢栄養。
管理栄養士の卒後教育、在宅介護における食事の指導、新宿区の子どもたちを対象とした「食とスポーツ」の支援、千代田区在住者・就労者のための妊活食支援などを精力的に行う。
著書に『がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ』(医学書院)、『いっしょに食べよう フレイルを予防し、老後を元気に暮らすためのらくらくメニュー』(木星社)などがある。